海難事故について
目次
交通事故と海難事故との対比について
自動車での交通事故があるように、船も事故に遭遇することがあります。いわゆる海難事故です。そこで、海難事故の対処方法について、交通事故と対比しながらご説明いたします。
事故発生報告
交通事故
- 最寄りの警察署に連絡する。
- 自分が加入している保険会社に連絡する。
海難事故
- ①最寄りのマリーナ・海上保安庁「118番」に連絡する。
※機関の故障など、軽微な場合には、「BAN」サービスを利用されることをおすすめします。機関の修理や、最寄りのマリーナ、又は、係留場所まで曳航・伴走してくれます。 - ②自分が加入している保険会社に連絡する。
海難事故報告書の作成
●船員法第19条において、「船長は、各号の一に該当する場合には、国土交通省令の定めるところにより、地方運輸局長又は指定市町村長にその旨を報告しなければならない。」となっています。具体的には次の1から6について報告する必要があります。
- 船舶の衝突、乗揚、沈没、滅失、火災、機関の損傷その他の海難が発生したとき。
- 人命又は船舶の救助に従事したとき。
- 無線電信によって知つたときを除いて、航行中他の船舶の遭難を知つたとき。
- 船内にある者が死亡し、又は行方不明となつたとき。
- 予定の航路を変更したとき。
- 船舶が抑留され、又は捕獲されたときその他船舶に関し著しい事故があったとき。
●海難報告書は、保険会社から、保険金を受領するためにも、必要となってきます。
海事代理士(外注)が海難報告書を作成できます。
事故後の民事対応(お金)
交通事故
相手との間で、過失割合に食い違いがあったり、損害賠償額について、金額の開きがあるけど、どうしたらいいんだろう?
車の修理代やお体の賠償問題の交渉は、弁護士が行うことができます。
自分が加入している自動車保険に弁護士特約が付いていれば、弁護士に無料で相談・依頼できます。※自動車保険以外に加入している保険でも、場合によっては、弁護士特約を利用できるかもしれませんので、保険会社に確認してみてください。
海難事故
相手との間で、過失割合に食い違いがあったり、損害賠償額について、金額の開きがあるけど、どうしたらいいんだろう?
船の修理代やお体の賠償問題の交渉は、弁護士が行うことができます。
お金の問題が解決して(=解決途中でも)、船を修理しました。航行するためには、検査を受けないといけないと言われたけど、どうしたらいいの?
海事代理士(外注)が対応できます。
お金の問題が解決して(=解決途中でも)、船の修理が不可能なので、新しく船を造ろうか、中古船を購入しようか迷っています。手続はどうしたらいいの?
新造船の場合→海事代理士(外注)が最終の登録まで、対応いたします。
中古船購入の場合→弁護士が交渉し、海事代理士(外注)が登録等について対応いたします。
事故後の行政対応
交通事故
免許
事故を起こしてしまったけど、免許の点数などはどうなるんだろう?点数も少ないし、免許停止になるのかな?
不服がある場合には、弁護士が対応できます。
「基礎点数」と「交通事故付加点数」、「措置義務違反点数」の累積点数が一定の基準を超えた場合に所定の行政処分が下ります。行政処分の取消はできません。しかし、不服がある場合、行政不服審査法に基づいて審査請求することができます。点数制度には無事故無違反で一定期間を経るなどの条件を満たせば違反時の点数計算において優遇される特例などが存在します。
海難事故
海難審判
海難審判所から呼び出しがありました。どうしたらいいの?
海事補佐人が対応できます。
海難審判所は、資格(=免許)に関する処分を行うところです。刑事事件と違って、一人で出廷することも可能です。海事補佐人の不足により、一人で出廷したはいいが、言いなり状態だったということをよく耳にします。海難審判所の判断は、民事の損害賠償、刑事の処分にも大きく関わってきます。ご自身が不利益を被らないためにも、海事補佐人と事故の態様を検討して、審判にのぞむことをおすすめします。
運輸安全委員会
運輸安全委員から呼び出しがありました。どうしたらいいの?
弁護士・海事補佐人が、調査に同席できます。
海難審判所は、資格(=免許)の処分を判断する期間ですが、運輸安全委員会は、事故の原因究明のために調査を行う機関です。そのため、事故当時者には、国家公務員である調査官から事情聴取等がなされ、最終的に報告書が作成されます。事実と相違する報告書が作成されないためにも、弁護士・海事補佐人の同席をおすすめします。
事故後の刑事対応(犯罪)
交通事故
裁判所から、呼出しの手紙がきました。どうしたらいいの?
弁護人として、弁護士が一緒に裁判所に出廷できます。
刑事事件の場合には、弁護人(=弁護士)が就いて対応します。国が弁護人を選ぶことがありますが、既に、お金のお話で、弁護士に依頼している場合には、その弁護士のほうが、事故の状況を十分把握していると思います。同じ弁護人に私選弁護をお願いしてもよいかもしれません。
海難事故
裁判所から、呼出しの手紙がきました。どうしたらいいの?
弁護士が対応可能です。
刑事事件の場合には、弁護人(=弁護士)が就いて対応します。国が弁護人を選ぶことがありますが、既にお金のお話で弁護士に依頼している場合には、その弁護士のほうが、事故の状況を十分把握していると思います。特に、船の場合には、弁護士といえども、専門に取り扱っている方は全国的にみても少数です。やはり、事故当時から携わってくれている弁護士にお願いすることをおすすめします。
当相談所の強み
上記のように、海難事故を解決するためには、たくさんの専門家が必要となってきます。
その都度、探して、依頼してとなると、面倒であり、時間を要することになります。
豊前総合法律事務所では、弁護士、海事補佐人、海事代理士(事務長兼務)が揃っておりますので、ワンストップで、解決まで携わることが可能でございます。
お互いが、連携して日常業務に携わっており、密に意思疎通を行っておりますので、便利、かつ、安心いただけると思っております。